こんにちは!島根に移住し地方創生を仕事にしているはまちゃん(@wakuwakukeigo)です。
今日は強めの口調でハッキリ言いましょう。
偉そうに「地方創生だ!」という人に限って、以下のような狭い視野でしか物事を考えられていません。
- 地元が人口少なくて少子高齢化でやばい!
- だから、地方移住者増やさなきゃ!若者の流出を防がなきゃ!
確かに、UIターン者が増えることは地方創生の目指す姿でしょう。
しかし、今後都市部から大多数の人が田舎で住むことはないし、田舎に人が増えたからと言って地方の衰退が止まることもない。
「地方に人が増えさえすれば何とかなる」と思ってるなら大間違い。
地方移住者を増やしても無駄なのです。
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移住者増で人口がV字回復↗️
\田舎で人口が増えた地域は、地方創生の成功事例としてチヤホヤされます。
でも、地方移住はゼロサムゲームなんだよ…💀
つまり、移住者というパイを奪い合って、勝者と敗者が生まれるってこと。
移住促進のみしてる限り、地方創生なんて無理。
視野が狭すぎる。
— はまちゃん@島根の地方移住ブロガー (@wakuwakukeigo) August 16, 2019
今日は、地方都市の衰退ち地方創生の原因と解決策という難しい課題について考えてみました。
田舎暮らしをしているからこそ、地域の未来を考えてみるのは大事かなと。
一つ確実に言えることは、
移住・定住促進のみ熱心な地域は、地方創生どころか地域活性化も無理!
ってこと。
若者のUIターン促進にばかり熱心にしていても、残念ながら地方都市は衰退してしまうでしょう。
なぜだかわかりますか?
タップできる目次
地方都市が衰退(人口減少)する原因|田舎から若者が離れる理由は?
地方都市の衰退を人口減少ととらえて原因を考えてみます。
地方創生とは人口減少という課題に対する政策なのは、前回解説してきました。
これだけ「地方創生だ」と叫ばれているとおり、日本は人口減少しており2048年には1億人を割る予想です。
とりわけ田舎の若者流出が著しい状況です。
田舎の若者がいなくなる原因として考えられるのは下記3つ。
- 過去:田舎→都会ルートが普通だから
- 未来:地元の将来が魅力的じゃないから
- 現在:持続可能な地域づくりに向けた地方創生の取り組みが間違えてるから
順番に解説しましょう。
過去:田舎→都会ルートが普通だから
「田舎で生まれたら一度は都会へ」と漠然に考えてる人が多いと思う。
世界的に見ても都市部に人口が集中してますし、日本もそれに従っているだけでしょう。
そう教育されているからの一言に集約されています。
「仕事がないと思い混んでる。なぜならそう教育されてるから」
これは真理かもな。
確かに田舎は求人数は都会より少ないけど、仕事はあります。
島根の女性の就業率は日本一。
一概には言えないけど、データで見るって大事。前に記事も書いたので合わせてどうぞ👇https://t.co/95yP8gAX4d pic.twitter.com/4ToC5yp5Bp
— はまちゃん@島根の地方移住ブロガー (@wakuwakukeigo) September 1, 2019
まぁ、働く場所を求めて都会に行くという人は少なそうだけど、上京した方がチャンスがあるし人や情報が集約されてるのは間違いない。
経済力にも圧倒的な差がありますからね。
また、地方移住して感じますが、やっぱり田舎暮らしは不便なことも多いです。
今は女性の社会進出や働き方や住む場所の選択肢が増えたしね。
どこで何をしようと、本人の自由。
それなら「都会に出てみるか」と考えるのも当然ではないでしょうか?
だからこそ、地域の教育や考え方を時代とともにアップデートさせることが重要です。
地方の課題をいかに魅力化できるかが鍵ですね。
未来:地元の将来が魅力的じゃないから
これまでの慣習に加えて、田舎の未来が暗いというのが大きな課題でしょう。
その原因として挙げられるのは下記。
- 地域に住む大人がワクワクしていない
- 地方創生や地域活性化を自分ゴト化していない
- 暗い未来や人手不足の情報ばかり若者に伝える
- 補助金だよりの政策
- 変化しようとしない
挙げだしたらキリがありませんね。
僕が課題意識を持っているのは、大人がワクワクしていない問題と情報発信不足の2つ。
「うちの町は閉鎖的だからねー」と言ってしまってること自体がアカン。
自分で責任を持たず行動もせず、国や景気のせいにして、10代20代の若者や補助金に頼るとかナメてるやろ?
そんな地域こっちから願い下げです。
リーダーシップを発揮し、地域住民が主人公意識を持って活動することが大切です。
現在:持続可能な地域づくりに向けた地方創生の取り組みが間違えてるから
やっとメインテーマ。笑
地方自治体は、間違いなく移住定住促進には力を入れています。
まぁ、UIターン者への定住施策は正直微妙だけど、ここでは一旦保留。
しかし、移住促進に力を入れているのに地方創生は現状失敗していると言わざるを得ません。
だって、地方創生に本格的に力を入れる前後で比較して、東京への転入者が増えてますからね。
地方創生の目的や意味を今一度考え、短期的ではなく長期的な戦略を立てることが重要でしょう。
地方創生の全体的な話は以下の記事をご覧ください。
参考 地方創生と地域活性化の違いとは?意味・課題・取り組み事例を簡単に解説
次章から、UIターン促進だけ熱心にやっても地方創生は無理ゲーという話をしていきます。
UIターン促進は地方移住者というパイを奪い合う無駄なゼロサムゲーム
「UIターン促進をして、地方移住者を増やし人口増加を目指す」。
この地方創生の王道とも言える政策に取り組んで、なぜ地方創生は無理・無駄だと僕が言い切るのでしょうか。
結論から言うと、地方移住促進はゼロサムゲームだから。
FXやポーカーを想像するとわかりやすいかな?
儲かる人がいれば、同じだけ損した人がいますよね。アレです。
つまり、移住促進の政策は移住者というパイを奪い合い、地域間で勝者と敗者が生まれているのが現状だということです。
移住者が増えて成功事例としてもてはやされる自治体の陰には、たくさん泣いてる自治体がいます。
むしろ若者人口は年々減少してるから、ゼロサムどころかマイナスサムゲーム。
若い移住者・定住者の増加のみに力を入れていても無意味。
田舎の衰退は目に見えています。
だから、移住者増加に取り組みつつも、この現実かは目をそらさずに対策を講じることが必要でしょう。
▼移住者が集まる地域は他地域へも目を向けています。
UIターンを促進し無駄に移住者増加ばかりに自治体が熱心になる理由
全ての地域がそうとは言いませんが、無駄とわかりつつも地方自治体はUIターン促進ばかりに力を入れてしまう傾向があります。
理由は主に3つ。
- 田舎の人口増加が地方創生成功の評価軸だから
- 国が進める地方創生政策は移住支援に力を注ぐものだから
- 地方自治のために地域は定住者を求めているから
説明していきますね。
①田舎の人口増加が地方創生成功の評価軸だから
全国各地で様々な取り組みが行われる地方創生。
「地方創生の成功事例は?」と問われれば、99%の人がこう答えるでしょう。
取り組みによって人口(移住者)が増えた地域
うむ、間違いなく地域の成功事例だと思う。
事実、島根県海士町や徳山県神山町は成功事例として挙げられ、全国的に有名ですもんね。
人口増加ほど、誰の目からみてもわかりやすい指標はありません。
でも、あくまで地域創生の成功事例としてね。
人口が増えたから解決じゃなくて、そのさきの地方創生の取り組みを考えていかねばなりません。
しかし、今の地方創生の実態はコレ。
これでいいんでしょうか?
また、仮にうまく活性化できたとしても、一部の成功した地域と大多数の消滅する地域があるだけです。
以前、海士町に取材に行ったんですが、担当者はこうおっしゃってました。
海士町の取り組みは成功事例じゃなく、挑戦事例なんです。
これから、どう島根県全土に広げていくかが、これからのテーマ。でもこれには弊害があります。
前までは海士町だけが目立ってた。
でも、島根県全域に魅力がある学校を増やそうと活動すればするほど、海士町を選ぶ理由がなくなってしまうんですよね。
地域の人口増加はわかりやすい指標だけど、地方創生が成功したと喜ぶにはまだ少し早いのではないでしょうか?
成功した地域を批判しているのではありません。
田舎で移住者が増加するって凄いし、すべての視察が無駄とは思わないです。
②国が進める地方創生政策は移住支援に力を注ぐものだから
政府が進めたい地方創生とは何でしょうか。
政府は、以下の4つを基本目標として定めています。
- 地方における安定した雇用を創出する
- 地方への新しいひとの流れをつくる
- 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
- 時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する
目的はいくつかあるけど、東京一極集中をやめさせることに重きを置いています。
国の流れがそうなので、地方自治体は補助金を使って企業を誘致したり、移住者確保に奔走するのはある意味自然な流れ。
2019年から始まった東京都圏から地方移住で最大300万円がもらえる移住支援金は、その思惑を表した最たるものでしょう。
しかし、結果として地方創生政策は、年々若者が東京に転出する人数も増えて大失敗に終わっているんですよね。
自治体消滅を煽って、移住支援に金をばら撒き、UIターン促進にあんなに力を注いだにも関わらずね。
③地方自治のために地域は定住者を求めているから
地域が求めているのは定住者です。
なぜなら、地方自治を運営するには人がいるから。
地方創生がうまくいかない根本的な原因は「自治体を消滅させないために定住者を増やす」という論理矛盾にある。
定住者の生活水準を向上させるために存在する自治体であれば、定住者がいなくなれば自治体もなくなるのが普通である。それを自治体という組織を守るために定住者を確保しようとするから違和感が生まれる。
定住はたしかに重要な視点だけど、移住者個人のキャリアを犠牲にしてしまっている現状があります。
他の理由として、よそ者・若者・ばか者は地域にイノベーションを起こしてくれると信じていると言う点もあります。
どちらにしろ、地域の事情で地方移住者のキャリアを犠牲にするのはおかしい!
今の僕の挑戦は『移動自体を仕事にすること』です。
詳細はツイートしてるので、ご覧ください。
「個人のキャリアを捨てて地方移住する」という常識をぶっ壊したい。
田舎暮らしを考える9割は普通の会社員なのに、地方自治のためにキャリアを犠牲にするのはおかしくない?
アドレスホッパーやデュアルライフ等新しい住み方も増えてきたけど、簡単に実践できない。
お金と仕事がネックだから。→
— はまちゃん@島根の地方移住ブロガー (@wakuwakukeigo) August 18, 2019
地方都市の衰退をどうすれば止められる?地方創生を移住定住促進だけと考えてはダメ
以下が地方創生のキーワードになってるのではないでしょうか。
- 移住者の見える化
- ローカルインフルエンサー
- 移住者-自治体-住民-他地域の繋がり
- もっと軽いなめらかな移住
- 手厚い定住支援
- 関係人口
- スマートシティ
- オール田舎
- 多様性
それぞれ説明するのは大変なので、僕と会って議論をしましょう。笑
多様性×自立した地域×オール田舎
人口減少を見越した戦略を持ち、個人の多様性を柔軟に受け入れた自立した地域像が目指すべき姿ではないか。
地域の人口が減少したとしても地域として存続できるようにしていかねばなりません。
もっとシンプルに言えば、ちゃんと稼げってコト。
仕事の作り方は3つしかありません。
- 地域内で仕事を作る
- 地域を県外・世界に広める
- 外の仕事を取りに行く
これらを実践するには、もはや市レベル・県レベルではなく、オール田舎で地方創生は取り組んでいかないといけません。
地方移住の未来。自由を求める力を持った個人を惹きつける価値あるモノが彼らを繫ぎ止める
地方移住に限定して言うと、様々な移住のカタチに対応できる未来を築いていく必要があると考えています。
僕(27才)ですら、国や会社といったこれまで信じていたものが崩壊した世代です。
今の若者はワンピース世代と言われており、「組織に属さず、仲間と自由を大切にするワンピースの世界観」を大切にしています。
ワンピース世代の特徴
- “終身雇用”という神話もすでに崩れ、現在は国や会社などの組織が個人を守ってくれない時代ということにいち早く気づいた世代。
- 『自分は自分で生きていかなければいけない』という意識を強く持ち、“個人”が主語となる考え方を持つ。
- 対等なつながりを重んじるヨコの社会の中に生き、最優先が仲間。
- 共通の目的より、個人の目的を重視する。
自治体・企業・個人は世代間格差を理解し、幸福とは何かを考えて地域づくりをしていく必要があるのではないでしょうか?
ガンダム世代 | ドラゴンボール世代 | ワンピース世代 | |
世代 | 40〜50代前半 | 30代〜40代前半 | 20代〜30代前半 |
目的 | 生存 | 成長・拡大 | 価値創造 |
組織観 | 運命共同体 | 合理的運営 | 自立分散 |
存在価値 | 自己犠牲 | 能力・成果 | 自己実現 |
今僕たちは、モノを求め、コトを求め、世界のヒトと繋がる自由を求めてきました。
これからは、バラバラになる自由が求められるようになるでしょう。
あらゆるモノから解放され、興味があって好きなコトやヒトと関わりたいのです。
- 家
- 所有物
- オフィス
- 学校
- 病院
実際、住まいから解放されるライフスタイルも多様化してますよね。
・アドレスホッパー
・旅する兼業
・デュアラー
・リモートワーカー
・パラレルワーカー
その結果、国や行政に頼らずに個人の集団という小さな国家ができると予想しています。
今後彼らを繫ぎ止めるには、地域が価値あるモノを見つけ・磨き・発信していかなければいけません。
価値あるモノは、地域によって変わります。
「なんか面白そうじゃね?」「仲間に加わりたい」と若者に思ってもらえるかどうかが鍵になるでしょう。
「人口が減ってヤバいから移住してくれ」より、「俺らこんなことやってるけど一緒にやらん?」と言ってくれる地域の方が魅力的です。
若者がの自己実現のために移住する(関係を持つ)場所に選ばれる地域。
こうなるためにあなたは何を始めますか?
地元や地域の課題を自分ゴト化していきましょう。
まとめ:地方創生の無理ゲー攻略。移住定住促進の無駄を無くし考え方をアップデートしよう
いかがだったでしょうか?
移住者確保に熱心になっても、いずれ地方全体で衰退するのは理解できましたよね。
地方創生も何年も続けてきて、成功事例も生まれていますが全体的に見ると失敗してしまっているように感じます。
だからこそ、今一度地域の未来について一人一人が考えて行動する必要があります。
地方創生という大きなことよりも身近な一歩からで大丈夫です。
本を読んで、地域に関心を寄せるのもいいですね。
田舎暮らし・地方移住で役立つオススメ本をご紹介します。これから地方移住する人はもちろん、田舎でクラス地元民もぜひ。 まさに教科書で、初めて田舎暮らしをする人のバイブル。
地方移住を失敗したくないなら、四の五の言わず読むべし! 農村集落の再生劇に手に汗握る!
フィクションだが、読んで地方移住したくなる人が続出した地方書店発ベストセラー。 人口減少や少子高齢化がどこか他人事になってない?
未来予測からリアルな田舎の姿が見えてきます。 ストーリーがあってわかりやすい。
地方移住者も必ず地域活性化の視点を持つべきです。 Audibleのなら書籍を聞くこともできます。 公務員として唯一、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に寺本さんの書籍。
島根県邑南町でなぜ食と農で0円起業ができたのか?
美味しくないパン屋に人が殺到する理由とは? 最近はあちらこちらで聞く、"関係人口"(観光以上定住未満)を世に知らしめた書籍。
県外にいながら、田舎や故郷の役に立ちたい人たちの救いとなった。 Kindle Unlimitedに登録すれば無料で読めるこの本もオススメ。
さぁ、知識をつけたら地域の外に出てみよう。
逆転の発想で課題が魅力化するにはどうすれば良いか考えましょう。
従来の移住者の枠に囚われず、彼らを惹きつけるモノを探そう。なければ作ろう。
地方都市の衰退を見て見ぬ振りをしないで。
一緒に地方創生という無理ゲーを攻略しようじゃないですか!
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