こんにちは!はまちゃん(@wakuwakukeigo)です。
今回の記事は、富岡町で復興・まちづくり活動に取り組む『とみおかプラス』の事務局長香中さんのインタビュー記事の後編です。(前編はこちら)
前編では、富岡町の現状ととみおかプラスの事業内容について伺ってきました。
後編では、とみおかプラスのこれまでの歩みと今後の取り組みについて取り上げます。
とみおかプラスの立ち上げと印象深い出来事
とみおかプラスの立ち上げ時の話をお聞かせてください。
『町の機能を取り戻し、賑わいを取り戻していく』という、誰もやったことがなく、当たり前にあった地域の機能がない中から始める必要があったので、様々な苦労がありました。
自分たちだけでは到底できませんでしたが、ありがたいことにサポートをしてくれる方々はいらっしゃったんです。
その周囲の助けがあったからこそ、一つずつ復興・まちづくり活動に取り組むことができました。
当たり前にあるはずのベースがない中で活動するのは、本当に大変だったでしょうね。
2016〜2017の立ち上げ期は、まさにマイナスからゼロベースに戻す活動が中心でした。
当時の苦労を乗り越えプラスに向かってきた段階なので、今の私たちがあります。
活動の中で、印象に残っている出来事について教えてください。
3〜4年前でしょうか。
避難先から戻った農家の方が、もう一度農業を復活させるようと、放射線に汚染されてしまった土地を除染し、土を入れ替えることになりました。
そうすると、新たな土に合う米の品種を探さなければなりません。
これまで育てていたものとは別に、新たな土に合う米とするために品種改良し、新たに米を作り始めました。
この米を使って富岡ブランドの産品ができないかと考えた結果、サポーターの方々、酒造りをしている蔵元とチームを組み、復活の日本酒を作ろうと企画が立ち上がりました。
そうしてできあがったお酒が富岡魂です。
今年も新酒ができあがっています。
引用 富岡魂
感動のストーリーですね!
みなさまの強く、熱い、想いには、いつも驚かされます。
この農家の方は、今は新たに落花生づくりの挑戦を行っているんですよ。
こうして繋がってきたバトンを私たちもうまく引き継いでいけたらと思っています。
とみおかプラスが今後取り組んでいきたいこと
とみおかプラスとして今後どのような取り組みを考えておられますか?
今、私が行っているのチェアリングというサービスがあります。
桜だけでなく、富岡町の風景にも魅力があると思ったんです。
そこで椅子を貸し出して、好きな場所でゆ〜ったりした時間を過ごしてもらうサービスを思いつきました。
出典 富岡チェアリングマップ
面白い取り組みですね!
景色を見ながら椅子を置いて本を読んだり、田んぼで電車を眺めたり、プライベートビーチ感覚の砂浜で穏やかな時間を過ごしたりと、楽しみ方は人それぞれです。
私のお気に入りのチェアリングマップを作っているので、レンタルサイクルとレンタルチェアを持って、富岡町を楽しんでもらえたらと思います。
スローライフですね〜
他にも、昨年から始まった移住促進にも力を入れていこうと考えています。
相談会の出展頻度を多くしたり、新たな取り組みとしてインターンの受け入れにも取り組みたいですね。
情報発信を積極的に行い、移住検討者への情報利便性を上げたり、移住者と町の人の交流の場作りもできたらと考えています。
また、とみおかサポートクラブのネットワークづくりの強化も考えています。
今回作った富岡魂をさらに認知をひろげたり、新たな名品・産品を通じた賑わい作りをするためには外の視点や知恵を借りることがが重要です。
コロナ禍で直接交流するイベントができていませんでしたが、リアルやネットを掛け合わせて人の繋がりを作っていきたいですね。
出典 とみおかサポータークラブ
どんどんやりたいことがあって素敵です。
とても充実しているように見えますが、香中さんがとみおかプラスの活動を通じてやりがいを感じる時はどんなことでしょう?
移住相談の窓口で富岡町のことを全然知らない方が「あっ!富岡町ってそんな場所なんですか」と知っていただいている時間にとても充実感を感じます。
ぼくも富岡町のことを聞いて、どんどん好きになってきています。
それはよかった!
あと、やりがいとはちょっと違いますが、プライベートでは週に何回かランニングをしています。
その時、できるだけ走ったことがないルートを走るようにしています。
そうして新たな富岡町を自分で発見できたときは、充実感がありますね。
富岡町のことめちゃくちゃ好きじゃないですか!笑
もちろん!笑
住んでいるからこそ、どんどん町を知っていきたいですね!
令和5年度 移住専門員を2名募集します
今後の活動を進めるために、今年はどういった取り組みをしていきますか?
令和5年度は、富岡町として積極的な移住促進を計画しているため、移住専門員として新たに2名の増員を考えています。
主な仕事内容は、移住相談や移住検討者への対応です。
新たに迎える方が気持ちよく働けるように準備を進めています。
辺見さんのお話で、働きやすい環境が整っているように感じていました。
このあたり、移住担当者として働いている辺見さんにも話を聞いた方がよさそうですね。
辺見さーーーん!どんな人が移住専門員に向いていると思いますか?
いきなり呼ばれてびっくりしましたよ。笑
そうですね、やっぱり一番大事なのは人と人とのコミュニケーション!
「人と話すのは苦手で…」という方には難しい仕事かもしれません。
また、移住は人生の一大イベントなので、相手の話を自分ごとのように親身に聞いてあげるような責任感も重要だと思います。
おせっかいな方が移住専門員には向いているかもですね。
ちなみに、どんな方と働きたいですか?
局長、移住専門員は2人募集ですよね?
そうそう。
じゃあ1人は絶対女性がいいです!
だって、今はとみおかプラスに私しか女性がいなくて寂しいですもん!笑
笑
冗談はさておき、移住者の気持ちを組むために女性ならではの視点が、私以外にも必要だと思ってますね。
男性と女性、若者と年長者では、移住する上で重視することも違うので、様々な方の気持ちに寄り添える体制が大事だと思うんです。
私が30代なので、20代や40~50代の方が採用されるといいかもしれません。
なるほど。
香中さんはどのような方が、とみおかプラスに合っていると思いますか?
富岡町は新しいまちづくりをやっていくエリアですので、町の賑わいを取り戻していきたいという方は大歓迎!
そういったことに面白さを感じる方と一緒に働いてみたいですね。
新しいことを自分で探してみようと思われる方にも、ぴったりな仕事だと思います。
自分がやりたいアイデアを出せば、それを受け止めて自由にやらせてくれる環境があったりするんでしょうか?
はい。たまたまですが、昨年12月はとみおかプラスでイルミネーションをやったんです。
例年、さくら並木ではイルミネーションを行っているのですが、とみおかプラスの事務所から駅に行く街路が、夜になると、人通りが少なく夜は暗くなっていました。
そこで、うちのスタッフが「12月ぐらいイルミネーションでもしませんか?」と言ったことがキッカケだったんです。
「まちに灯りを」を自分たちでもやっちゃおう、と、すぐに、お金を調達して本当にやっちゃいました。笑
引用 とみおかくらし情報館 イルミネーション点灯中!【ライトアップ】
また、3月11日は追悼と復興への願いを込めた、「富あかり」という竹灯篭、絵灯篭のイルミネーションイベントも自主イベントとして行いました。
この場所だからやる意味があるイベントだと思っています。
富あかり2023
3/11(土)20時まで、富岡町旧富岡第一小学校校庭で点灯中です。#富岡町 #福島県 #東日本大震災から12年 pic.twitter.com/9MTfPMSB2p— とみおかプラス (@TomiokaPlus) March 11, 2023
しっかり実現させる懐の深さがすごい!
地域おこし協力隊よりも自由にまちづくりに取り組める仕事かもしれませんね。
そうですね。
大きなイベントをやることももちろん大事ですが、一つ一つできることからやってみることが大事だと思いますね。
地域と向きながら取り組んでいて尊敬です。
いやぁ、まだまだです。
でも、そんな環境を楽しんでくれる人がきてくれるとうれしいですね。
令和5年4月以降、具体的な募集を始めていきます。
島根で住むのがキツくなったら、富岡町に行かせてください。そして、雇ってください。笑
ぜひ。笑
この記事を読む方の中にも、富岡町で移住の受け入れに関わる仕事を富岡に住んで一緒に進めていきたい方がいらっしゃれば、ぜひお問い合わせください!
富岡町はすごくアクティブにも生きていけるし、すごくのんびり過ごすこともできる場所。
町の盛り上がりを目に見えて感じていける、これからがおもしろい町ですよ!
本日はありがとうございました。
まとめ
全4回のインタビューを通じて、福島県富岡町とまちづくり会社『とみおかプラス』の魅力を掘り起こしてきました。
インタビューを通じて感じたことが3つあります。
- 町の機能が止まってしまった被災地のまちづくりはレベルが違う!
- 苦労を微塵も感じさせずみんなが楽しそうに仕事をされていて素敵!
- 「町の賑わいを取り戻そう」と地域全体の情熱がスゴイ!
3.11東日本大震災から12年。
あの絶望的な大地震と津波、原発事故の被災者のインタビューをニュースを見て、当時の僕は心を痛め寄附をしました。
しかし、テレビであまり取り上げられなくなるにつれ、風化していったように思います。
なので、今回被災地の現状を聞くことができる機会をいただけたことは本当に貴重でした。
地域活性化のヒントもたくさんいただけ(記事にしていないところで悩み相談をしてました)、香中さん・辺見さん・根本さんにはこの場を借りてお礼を申し上げます。
インタビューをするまで富岡町を知らなかったのですが、大好きな地域の1つになりました。
久しく福島に行けていないので、噂の桜並木を拝みに富岡町に訪れたいですね。
ここまで記事を読んだあなたは、きっと僕と同じように富岡町に愛着がわいていることでしょう。
2023年4月以降、とみおかプラスで移住専門員を2名募集されるということですので、ご興味がある方は一度話だけでも聞いてみてはいかがでしょう?
人口2,000人のうち、約半数の1,000人が移住者という特殊な場所なので、そんな場所で移住の仕事に携われるのは面白いキャリアを描けると思いますよ。
個人的には移住する/しないに寄らず、関係人口として関わっていきたい地域です。
これからますます面白くなってくる富岡町に注目していきましょう。
コメントをどうぞ